新鮮な海の幸を味わってもらうために、常にお客様目線に立ち、あらゆる創意工夫を凝らす＜角上魚類＞。魚の小売業界でトップレベルの売上高を誇り、店舗は連日大賑わいです。鮮魚や寿司が人気ですが、実は漬け魚やいくらなどの加工品も絶品。後編では、NIIGATA越品オンラインストアのバイヤーが惚れた鮮魚加工品のおいしさの秘密に迫ります。

経験豊富で腕の立つバイヤーと、魚の魅力をうまくお客様に伝えられる店舗スタッフが強みである角上魚類。しかし、人気の理由はそれだけではありません。やはり、同社の最大の魅力は、どの品も圧倒的に新鮮でおいしいことではないでしょうか。通信販売部の小池さんは、「幅広いネットワーク」が角上魚類の品質を支えていると説明します。

「最初に鮮魚専門店を構えたのは1974年。40年以上鮮魚を取り扱っているので、付き合いのある卸売業者が非常に多いんです。例えば、冬の目玉となるいくらは、毎年秋に北海道の現地メーカーまでバイヤー自ら赴き、品質や製造状況を確認。6社以上の品を比較検討します。これほどの数を比較して、仕入れている小売業者は少ないと思いますよ」。

何人もの腕利きのバイヤーが厳しく品評し、その年、その時期に最も良い品を選定。付き合いのある卸売業者も同社の目利きの厳しさを知っているので、おいしさに対する妥協は一切ありません。店舗数の多さと売り切る力を武器に大量に仕入れる同社だからこそ、卸売業者も高品質な海産物を卸してくれるのだと言います。

角上魚類がNIIGATA越品に仲間入りしたきっかけは、NIIGATA越品オンラインストアのバイヤーを務める小林からの熱烈なオファーです。「電話口でお誘いただいた時は、まさか私たちが？と驚きました。冗談かもしれないと思いながら、小池に相談したんです」と、通信販売部の大久保さんは笑いながら教えてくれました。

「今提供している品質をキープするには、より多くの方に角上魚類を知っていただく必要がありました。これから先も日本一を目指し続けるために、オンラインに力を入れようと考えていた矢先に舞い込んできたご相談でした」と小池さん。

バイヤーの小林は食品部門の担当経験があり、同社の目利きと売り切り力の凄さがよく分かるからこそ、NIIGATA越品で取り扱いたかったと言います。

「対面販売を大切にしていて、接客も含めてお買い物を楽しんでいただく姿勢は、百貨店にも通ずるものがあります。やはり商売とは、人対人なんですよね。商品のおいしさはもちろんですが、こんなにも鮮魚に対する熱意やこだわりを持つ企業が新潟にあるんだということを知ってもらいたいです」。

今回、NIIGATA越品のオンラインストアでは、いくら、カニ、ホタテ、漬け魚など全10種類をラインナップしています。話を伺ったお二人のおすすめは漬け魚シリーズ。おいしさの秘密は、自社加工センターで施す塩水処理です。

「塩水に魚を入れておくことで余分な水分とともに臭みが抜けるんです。味噌などの調味液の味が入りやすく、もっちりとした食感になります」と小池さん。「贈ると必ずおいしいと言ってもらえるから」と、銀鮭の越後味噌漬けを毎年10箱以上注文するリピーターもいるそうで、隠れた人気商品です。

入社して25年になる大久保さんは、元々加工部門に在籍していました。現在でもオンライン販売用の商品は加工から携わっています。「魚種によって味噌の配合を変えている点もこだわりの一つです。鮭は脂の旨みに負けないよう甘みを抑えた味噌を使い、味が入りやすい銀だらはしょっぱく感じないよう甘みをプラス。一番おいしいと感じる状態に仕上げているので、焦げつき防止のために軽く味噌を拭き取る程度にして、洗わずに焼いてお召し上がりください」。

最後に、これからの目標を伺うと「魚離れを防ぐ魚屋でありたい」という答えが返ってきました。一般的なスーパーの鮮魚コーナーに並ぶ魚は、水揚げされてからのリードタイムが長く、どうしても鮮度が落ちてしまいます。鮮度が落ちた魚はおいしくない。手に取りやすい魚がおいしくないから、魚離れが進んでしまうという悪循環が起こっているのではと言います。

「でも、新鮮な魚はやっぱりすごくおいしいんです。だから、魚はおいしくないものと思っている人たちにも角上魚類の魚を食べてもらいたい。そして、店舗に来て知らなかった魚に出会い、魚を好きになってもらいたいです」。

＜取材後記＞

平日だというのにたくさんのお客様で賑わう店内。ちょうど取材がお昼前に終わったので、人気商品だと教えてもらった四色丼を購入しました。ラスト4点、危なかった。お味は言わずもがなです。最後に記事内に書ききれなかった小話を一つ。創業者の栁「下」さんが、「角」網を使って漁をしていたことから角下にしようとしたところ、「格下」だと間違われると困るので、下を上に変えて「角上」に。魚だけでなく、海の幸を何でも取り揃えていく決意を込めて「魚類」を加えて「角上魚類」という社名ができたそうです。知っている情報が増えれば増えるほど、企業や商品に愛着を感じるのは私だけでしょうか。社名の由来まで知った皆さん、店舗まで足を運ばなくともNIIGATA越品オンラインストアからおすすめ商品を購入できますよ。

角上魚類ホールディングス株式会社

〒940-2502　新潟県長岡市寺泊荒町9772番地20

電話：0258-75-3181

取材・文章：鵜野梨奈（ザツダン株式会社）