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地域の宝が大変身!阿賀町のオニグルミから生まれた、絵本とおもちゃ【前編】

2020.09.17. Thu.

阿賀町 オニグルミ

NIIGATA 越品から新しく登場するアイテムは、阿賀町のオニグルミがテーマ。食品やお菓子ではなく、「絵本」と「おもちゃ」という形で地域資源の可能性を表現しています。オニグルミに親しんできた地域の人々と、その豊かさに心惹かれた移住者、彼らの熱意に賛同した作家たち。さまざまな人々の思いが交わり、オニグルミの魅力が詰まった絵本とおもちゃが誕生しました。

絵本の主役は、かたくて大きなクルミ

絵本の作者は、あだちあさみさん。お米のおいしさとおむすびの楽しさをぬくもりのある絵とストーリーで綴った「おむすびちゃん」などで知られる新潟出身の絵本作家です。

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▲デザイナーとして商品ブランディングなども手掛けるあだちあさみさん

「もともとは阿賀町の魅力を伝えることを目的に、狐の嫁入り行列や町の風景を取り入れた絵本を考えていたのですが、内容が複雑になると子どもたちに伝わりにくくなるように感じました。そこで絵本の主役をオニグルミにして、まずはクルミを知ってもらって、そこから阿賀町に興味を持ってもらう流れを考えました」。ところが、キャラクターや動物とは異なり、クルミは動かないし、しゃべらない。古今東西の絵本を調べてみますが、そもそもクルミが出てくる物語が少ない。あだちさんはストーリー作りに頭を悩ませたそうです。「出産祝いや誕生日プレゼントなど色々な場面で使ってもらいたいので、0~3歳の子どもたちも楽しめる内容にしたい。そこで思い出したのが、かたくて割れないというオニグルミの特徴でした」。

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▲絵本「おおきなくるみ」の原画。たくさんの動物たちが登場します

表紙の真ん中には、大きなクルミ。ページをめくっていくと、ワニやタヌキ、キツツキ、ライオンたちがやってきます。みんなはあの手この手でクルミを割ろうとしますが、まったく割れる気配がなく、ほとほと困り果ててしまう動物たち。さて、オニグルミは最後にどうなるのでしょうか…。絵本には本物のオニグルミもセットになっていて、実際に触れられる絵本になっています。

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▲裏表紙には阿賀町の子どもたちが色を塗った葉っぱを集めたクルミの木を載せ、みんなの夢が詰まった絵本ができあがりました

「お話が終わった最後の見開きには、オニグルミを収穫して天日干しする手順を紹介。さらに、巻きずしやパン、ホットケーキなどのクルミを使った料理も紹介しています。物語を楽しんだ後に、クルミに興味を持ってくれたり好きになってくれたりしたら、うれしいです」

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▲あだちさん作の絵本「おむすびちゃん」シリーズ

ゴツゴツした手触りを楽しむおもちゃ

オニグルミのおもちゃは2種類。食パンの形と、「スフェリコン」と呼ばれる立体をモチーフにした形を作りました。スフェリコンは三角形と半円を組み合わせた不思議な形で、坂道に置くとゆらゆらと転がっていきます。

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▲ナカムラ工房の中村隆志さん。右手に持っているのがスフェリコン、左手が食パンのおもちゃ

「クルミそのものが外から見えることを条件に形を考えていきました」と語るのは、ナカムラ工房の中村隆志さん。「クルミのゴツゴツとした手触りを楽しめながら、触り心地もいいように微妙にやすりがけをしてあります」。他にも、ガラガラのように振って遊べること、握りやすい形状であることなどにこだわりながら、微調整を重ねて完成させました。「クルミに穴を空ける作業は特に慎重さが求められました。クルミの中に芯があり、工具がぶつかると真ん中からずれてしまうんです」。

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▲オニグルミの先端でケガをしないように尖った部分を削り、全体的にやすりがけをしてあります

外側の素材には新潟県産のスノービーチ(ブナ)を使用。食パンは、ケヤキの木をスノービーチでサンドすることで焼き目を表現しました。「ずっと大切にしてもらえるように、遊ばない時も部屋の中に飾りたくなるかわいさを目指しました」。

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▲スノービーチでケヤキを挟むことで、食パンの焼き目を表現

元保育士の中村さんが心がけるのは「子どもが使って楽しいと思えるおもちゃ」。手触り・サイズ・重さのすべてを子どもの視点から考えていきます。「新潟県の子どもたちみんなが、一度はナカムラ工房のおもちゃで遊んだことがある。そうなるのが夢です」。

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▲保育士時代に木のおもちゃのおもしろさに目覚め、2010年に工房を立ち上げた中村さん

クルミの魅力を、子どもたちへ

凹凸のある表面に、「鬼」と例えられるほどかたい殻。見た目と手触りの不思議さやおもしろさから、オニグルミの絵本とおもちゃができあがりました。阿賀町以外で暮らす新潟の子どもたちにとっては、生まれて初めて触れる阿賀町になるかもしれません。この絵本やおもちゃが、阿賀町や新潟のことを好きになるきっかけになってくれることを期待します。

取材・文章:横田孝優(ザツダン)

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