三条市 フタバ

「ダシにまつわるおいしいことを」をコンセプトに、家庭用のだしパックやご飯のお供などを展開する<ON THE UMAMI>。7月31日(水)〜8月20日(火)、越品ステージでだしの試飲を交えてご紹介します。このブランドを仕掛けるのが、三条市のだし専門企業「フタバ」です。これまでプロ向けの商品を作り続けてきたメーカーが、なぜ家庭用ブランドを立ち上げたのでしょうか。

だしが身近になるアイテムたち

日本の科学者が昆布から発見した「うまみ」。舌にはうまみ成分を感じる組織も存在し、甘味・酸味・塩味・苦味とならぶ5つの基本味(五味)のひとつとして数えられています。2017年にスタートした<ON THE UMAMI>は、日本人の味覚が愛してやまない「うまみ」に着目したブランドです。

約40種類のオリジナルアイテムを展開

厳選素材から作られた「だしパック」を中心に、液体だしや醤油、炊き込みご飯の素、ご飯のお供といった和の食品はもちろんのこと、パスタソースやスープといった洋のアイテムもラインナップ。もちろんどの商品も個性豊かなうまみを堪能することができます。

三条市にある<ON THE UMAMI>の本店では、各アイテムがずらりと並ぶだけでなく、イートインスペースもあります。ここで味わえるのがなんと、コーヒーのようにじっくり抽出した「ハンドドリップだし」と、昆布だしとガンジー牛乳がなぜかよく合う「UMAMIソフトクリーム」です。

さっぱりとしたミルク味のあとに、昆布のうまみが口の中に広がります

日本食を口にする機会が減っていたり、一日の中で料理する時間が限られていたりと、現代の暮らしはだしと縁遠くなりつつあります。そんな中、既成概念にとらわれず、さまざまな切り口からだしの魅力を提案するのが、<ON THE UMAMI>というブランドなのです。

日々、おいしさを作る工場

<ON THE UMAMI>を展開するフタバは、1953年の創業から65年以上にわたって業務用のだしパックや削り節を生産してきた、だし専門メーカー。北陸自動車道沿いにある本社工場を見学させてもらいました。

最初に見せてもらったのは、削り節の製造工程。原料の鰹節は、静岡や鹿児島から仕入れています。魚は獲れた時期によって味や脂の乗りが微妙に異なり、また鰹節の加工会社によっても風味などに差が出ます。フタバでは複数の原料をブレンドすることで、一定の味になるように調整。多いと数十種類の材料を配合するそうです。

職人がひとつずつ味見をして、配合バランスを決めます
鰹節のエレベーターのような機械。削り機の中へと運ばれていきます
この工場では、1日に約4トンの原料が削り節に加工されます

続いてだしパックの製造を見学しました。ハンマークラッシャーという機械で鰹節を粉々に砕いて乾燥させ、パックに詰めるという流れです。

鰹節を粉砕するハンマークラッシャー
調味料やかつおエキスを加えた後、乾燥機にかけられます
パック詰めされた後は手作業で丁寧に形が整えられ、袋に入れられます

ブレのない味への責任

フタバの工場には、品質管理室という部署があります。ここでは前述した原料のブレンドに加え、製品の最終チェックもしています。実際にだしを引いて、味・色・水分などを確認。感覚による主観的なチェックだけでなく、科学的な分析による検査もしています。

商品ごとに色の濃さが微妙に異なります
正確な結果を出すために、プロの料理人と同じ条件でだしを引きます
分析した製品は専用ロッカーで1年間保存。万一、トラブルが発生した場合もすぐに原因究明に努めます

長年培ってきた技術とノウハウで、安定したおいしさを作り続けているフタバ。後編では企業の歴史と独自性を掘り下げ、<ON THE UMAMI>の魅力の秘密に迫ります。

株式会社フタバ
〒959-1136 新潟県三条市川通中町477
電話:0256-45-7272

取材・文章・撮影:横田孝優(ザツダン)

※掲載商品は取材時のものとなり、変更となる場合がございます。予めご了承ください。