さまざまなブランドのアーカイブや定番商品を〈宝島染工〉の大籠千春氏が天然染料で染めあげた、世界にひとつだけの洋服が揃うイベント「ソメアソビ」。同イベントに参加するブランドのひとつ〈ドゥーブルメゾン〉のディレクターであり、『Olive』をはじめ幅広いフィールドで活躍するスタイリストの大森伃佑子さんに、〈宝島染工〉について伺いました。
〈ドゥーブルメゾン〉はできれば女子だけでやりたいという思いがあるんです。でも伝統的な職人さんの世界はどうしても男性の方が多く、なかなか草木染めに挑戦する機会がありませんでした。
1年ぐらい前のこと、宝島染工さんのお名前を1週間で5回ぐらい立て続けに聞くことがあったんです。友だちのところに行ったら「いま宝島さんとメールしてた」とか、また他の友だちに連絡したら「宝島さんといまご飯食べてる」とか。すごい偶然でしょ?それで代表の大籠千春さんにお会いしたら「なるほどステキな人だな」と腑に落ちました。彼女とだったらいろいろやりたいなと思って、昨年の4月に初めて草木染めに挑戦しました。いま、わたしにとって「染め」というものは、千春さんありきです。
きものも染めたんですが、それがわたし的には画期的でした。いわゆる草木染めの洋服だと洗いざらしでくしゃくしゃで着るということもあるのですが、きものだとどうしても生地は染めるけれど仕立てはキレイにするというのが当たり前。洋服みたいに自然なシワ感のあるものができないかなと思って、仕立て上がったきものを染めてもらいました。ほんとうの洗いざらしってこういうことだなと。
千春さんの仕事から学べることはとても多くて、これからも取り組みを続けていくことで学びが活かせればと思っています。
千春さんはかわいいです(笑)。間違いないです。職人の顔もあるし、お母さんの顔もある。頭の回転が良く、引き出しをたくさん持っていて、そしてそれを表現できる人。
あと東京でも地方でもない無国籍なニオイがします。彼女の持っている深さがそう感じさせるんじゃないかな。
女子のスタッフが多くて、東京に行かなくてもファッションの現場で働けるというのは、地方の活性化にもすごく貢献しているなと感じました。千春さんの活躍で、スタッフにも夢を与えている、そんなところもすごいですよね。
化学的な染料とは深さが圧倒的に違って、大人な色や風合いになっていると思います。だけど洗濯は要注意ですね。何度失敗したことか(笑)。
それに、くたびれても良い感じなんですよね。草木染めをするものって、たいてい生地がいいもの。だから経年変化を楽しみながら長く着られるんです。
今回のイベントのために新しいものも染めてもらっています。10点ぐらい。どんな仕上がりになるのかわたしも楽しみです。
千春さんを見られるのは貴重なのでぜひお越しください。初日(9月18日(水)) ですよね。わたしも千春さんに会いたいので駆けつけます。
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