恋人や夫婦、そして父と母になっても。
いつの時代も、クリスマスには宝石のような思い出があるはず。
今回、伊勢丹新宿店で実際にあったクリスマスのお話をもとに、
恋愛ツイートで人気の夏生さえりさんが、
書き下ろしの物語を綴ってくれました。
今年のクリスマスが、ロマンティックであることを願って。
伊勢丹新宿店がおくる、ステキなギフトの物語をお届けします。

※このコンテンツのエピソードは、伊勢丹新宿店の宝飾・アクセサリー売場で働くスタッフの体験談をもとにしています。

あれはいつのことだったか。
とあるテレビ番組で映し出された男女を観ていた。凝った演出を経て、突然差し出されたプレゼント。
女の人は驚いて涙を浮かべ、嬉しそうに受け取っていた。

素敵なサプライズだなぁ。もちろんそう思った。けれど、「わたしはあんな風には喜べないだろうなぁ」と続けて思った。

きっと普通に驚いて、「え?」とかわいげのない声を漏らすだろう。
サプライズには “嬉し涙”が鉄則なのに、とてもじゃないけど流せる自信もない。

サマになる男の人と女の人。サプライズは、その両方がいて成り立つもの。わたしとは遠い世界だな、なんて思っていたっけ。

それから何年かして、まさかあなたがサプライズしてくれるなんて。
ガラじゃないくせに、一生懸命練った計画で、わたしを驚かせてくるなんて。

案の定、わたしは無防備に驚いて、驚きすぎてなかなか事態を飲み込まないから、緊張の解けたあなたは次第に大笑いして、
それにつられてわたしも笑って。二人とも笑いが止まらなくなって、すこし視界が滲んだ。

「その指輪、かわいいね。彼にもらったの?」

そう聞かれるたび、本当はどんな風にもらったのか話してしまいたくなる。
あのね、すごく凝ったサプライズだったのよ。……けれど、口にするのがもったいなくて、いつも黙っている。

「そうなの、もらったの」

今日も言わなかった。けれど、細部まで覚えている。

彼とわたし、そして指輪しか知らないあの時間。

テレビ番組にはならない、サマにならないわたしたちの、幸福な思い出。

ある男性のお客さまの話ですが、サプライズがしたいと、“ジュエリーBOXの中身は空にして、別で買ってきたくまのぬいぐるみの腕にプレゼントのリングをつけてください”と言われたことがあります。空のBOXを空けてびっくりさせ、でも実は・・♡というサプライズを、ずっと笑顔でお話しされていました。10年以上前のことですが、とても印象的で今でもよく覚えています。
本館1階=アクセサリー <TOCCA>スタッフ

女の子だし、アクセサリーなんてたくさん持っている。毎日のようにつける物もあるし、お気に入り“だった”物もある。
部屋のジュエリーボックスには、いろんな思い出をまとったアクセサリーが山ほど眠っている。

でも、この指輪は、中でも特別。これはあなたがくれたものだから。

「女の子は、“贈り物”をすると喜ぶ」と言う人がいるけれど、全然わかっていない。贈り物が嬉しいんじゃない。

贈り物を選んでくれた、その“時間”が嬉しいんだ。

「なにが好きかな」 「こっちがいいかな」 「あっちがいいかも」 「普段は、どんなものをつけていたっけ」

おしゃれなお店を嫌うあなたが、戸惑う足先でお店に入っていったこと。
慣れないショーケースの前に立って、一生懸命にわたしを描いてくれたこと。
人見知りなのに、店員さんに相談してくれたこと。写真を見比べ、悩みながら眠ってくれたこと。

一緒にいない時にもわたしのことを考えてくれた。その時間が、なによりも嬉しい。

「どうして、これが欲しいってわかったの?」驚いて聞いた時の言葉も忘れられない。

「ずっと前、『素敵』って言ってたでしょう」

普段はすぐ忘れるくせに、そんなところだけ覚えているなんてずるい。そんなの、好きになりすぎてしまう。

……指輪を見るたびに、あなたがくれた“時間”を想う。

たしかに、アクセサリーはたくさん持っている。それでもやっぱり、この指輪だけは、特別だーー。

学生時代、アクセサリーのブランドも数えるほどしか知らなかった私がネットで見つけた「憧れリング」。画像まで保存して「いつかは…」などと考えていたところ、当時お付き合いしていた方が、その年のクリスマスの日にプレゼントしてくれたんです。聞くと、彼は私の話を聞き、ネットで検索したり、百貨店で販売員さんに質問をしながらブランドを突き止めて購入してくれたとのこと。社会人になった今でも愛用していますし、ジュエリーの販売員になりたいというきっかけをくれた大切な思い出にもなっています。
本館1階=アクセサリー <マダマ>スタッフ

「結婚しても、ずっと女の子扱いしてくれる?」

クリスマスにされたプロポーズの返答はこれで、あなたは「もちろん」と真剣な顔で頷いた。
繋いだ手のひらがすこしだけ濡れていて、緊張したのかな、なんて思った。

……というのは、遠い遠い昔の話だ。

5回、10回、30回。一緒に過ごすクリスマスの回数が増えるたび、変わっていった関係性。

隣にいられて嬉しい、から、隣にいるのが当然、へ。“女の子扱い”なんて、どんなものだったか思い出せない。もう女の子ではないのだから仕方がないと、自分を笑っていたのは何年前のことだろう。仄かなさみしさを通り越したら、なにも思わなくなった。

なのに、どういう風のふきまわし?
「ずっと忘れていて、ごめんね」
箱を開けると、きれいなペンダント。
「こういうの、よくわかんなくて」

照れ隠しに笑ったあなたが、記憶の中のあなたと重なる。そうだ。付き合って、1年目のクリスマスにも同じことを言っていた。

いつまでも、わかんないのね。でもあなたのことを笑えない。だってわたしも、いつまでも嬉しいみたい。

「どうしたの、急にプレゼントなんて」
心の内を知られないよう、できるだけそっけなく聞いてみる。

「別に。ずっと大事なだけですよ」
できるだけ、そっけなくした答えが返ってくる。このくらいが、ちょうどいい。いや、このくらいが、精一杯。

机に置かれている手を握ると、意外にも握り返された。かたくてごわついた指。手のひらはほんの少しだけ、濡れていた。

奥様の70歳のお誕生日にご来店いただいたご夫婦。お出ししたジュエリーをご覧になって、旦那さまが「もっと良いものを見せてほしい」と一言。奥さまは、「そんなに良いものでなくていいから」とおっしゃり、旦那さまは、「今日は僕の大切な人の特別な日だから。これから50年、60年先までずっとつけていてほしい」と譲らず。隣で照れていらっしゃる奥さまの表情がとても印象的でした。
本館4階=ジュエリー&ウオッチ <ミキモト>スタッフ

夏生さえり

山口県生まれ。フリーライター。大学卒業後、出版社に入社。その後はWeb編集者として勤務し、2016年4月に独立。Twitterの恋愛妄想ツイートが話題となり、フォロワー数は合計18万人を突破。難しいことをやわらかくすること、人の心の動きを描きだすこと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。著書に『今日は、自分を甘やかす』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『口説き文句は決めている』(クラーケン)、『やわらかい明日をつくるノート(大和書房)』、共著に『今年の春は、とびきり素敵な春にするってさっき決めた』(PHP研究所)がある。

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