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NIIGATA越品、10周年の「はじめまして」を伝えます。

「NIIGATA越品」は、2026年に10周年を迎えました。これまでたくさんのご愛顧をいただき、誠にありがとうございます。

 

「想像をこえる、新潟がある。」をテーマに、新潟で生まれた商品や、新潟ならではの体験をご提案してきたNIIGATA越品。その10年は挑戦と変革の連続であり、たくさんのお客様やお取引先様の支えなくして歩めない道のりだったことは間違いありません。

 

一方で10年という時間を重ねることで、出発点も少し遠くに感じるものになりました。新潟伊勢丹独自のこの取り組みがどのように始まり、どのような紆余曲折を経て現在に至るのか。まだまだお伝えできていないこともたくさんあります。

 

そこで今回の越品ストーリーは、あらためて「はじめまして」をお届けするために、4人の歴代バイヤーたちの言葉とともにその歩みを振り返ります。何度も足を運んでくださっている皆様も、最近見つけてくださった皆様も、NIIGATA越品をますます身近に感じていただければ幸いです。

 

売るのではなく、伝えるための場所

「百貨店といえば、首都圏や海外のトレンドをいち早く地方へ届けるのが役割。その常識を180度変える挑戦でした」

 

全国のどの百貨店にも前例のない、手探りのスタートだったと振り返るのは、NIIGATA越品の立ち上げを担当した初代バイヤーの長谷川雅史です。

 

地方創生が叫ばれ始めた2015年。新潟伊勢丹が目指したのは、一過性のイベントで終わらない、地域に愛されるお店づくりでした。

 

プロデューサーとして迎えたのは、故・川島蓉子さん。自身も新潟市出身であることから、「新潟のクリエイターとつくりたい」と声をかけ、地元のデザイナーやコピーライターが集結。「想像をこえる、新潟がある。」とコンセプトを掲げ、ロゴマークひとつにも妥協せず、新潟伊勢丹の意志を込めることから始めました。2016年3月9日、全館を挙げたイベントで、その幕が上がります。当初は、年4回のキャンペーンという位置づけでした。

「地元のお客様は、本当に新潟のものに興味があるのだろうか。半信半疑のまま、越品を名乗るにふさわしい商品をゼロから探し、第一弾の初日まで奔走しました。3月9日という日付は、今でも忘れられません」

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▲第一弾キャンペーンを告知する折り込みチラシと新聞広告

2週間に一度のチーム会議でキャンペーンの準備を進めながら、役員陣に選び抜いた商品をプレゼンする日々。

 

東奔西走する長谷川バイヤーでしたが、生産現場へ足を運び、自分の目で確かめることは徹底したと言います。

 

「私たちの仕事は、単にモノを売ることではなく、その背景にある『想い』を伝えること。だから、直接肌で感じて語れなければいけないと考えていました」

コロナ禍を経て、新潟伊勢丹の顔として

4回のキャンペーンに加えて、その年の夏に実施したレストランバスで新潟市を巡る「越品ツアー」も大盛況。

 

2017年には2年目を迎え、新潟伊勢丹2階に常設型ストア「NIIGATA越品ステージ」がオープンします。生産者や職人が店頭に立つ機会をつくり、お客様と直接言葉を交わす。百貨店の一等地に、かつてない熱量を持った場所が生まれました。

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▲当時、2階にオープンしたNIIGATA越品ステージ。「館内で待ち合わせの電話をしていたお客様の口から、『越品で待ってるね』と聞こえてきた時は感動しました」と長谷川バイヤー

2020年には新潟伊勢丹の顔としての発展を目指し、NIIGATA越品ステージは2階から1階へ移転。面積はなんと2倍に拡大しました。

 

「コロナ禍の最中でしたが、明るい話題を届けたいと思い、広くなった売り場に並べる新しい品を探し続けました。オープンの5日前まで商談をしていたんですよ」と笑う長谷川バイヤー。

 

旅行やレジャーを控えざるを得なかった外出自粛期間。せめてお買い物を楽しみたいという気持ちがあふれ出たかのように、リニューアルオープンは多くのお客様で賑わいました。

越品の種を見つけて、ともに成長する

初代バイヤーが並々ならぬ情熱で築いた土台を引き継ぎ、さらに発展させたのが、二代目バイヤーの小幡大祐です。

 

長年携わってきた食品部門での経験を活かし、食のカテゴリーを軸に、ギフトだけではない付加価値を高める役割を担いました。

 

「専任バイヤーに就任したのは越品ステージが1階に移設して2年目のこと。当時は、特別な時だけ利用する『お土産屋さん』のイメージが強い印象でした。もっと日常的に、地元のお客様に立ち寄っていただけるお店になりたい。そう感じていました」

 

そこで取り組んだのが、特定の地域にフォーカスした商談会。新潟県内の市町村と連携し、これから世に出ていく品々を掘り起こすことに注力したのです。

 

大切にしたのは、生産者の皆様のステップアップを、パートナーとして支えること。パッケージデザインのアドバイスから、適切な価格設定、商品に関係する法律やルールの指導まで、百貨店が持つ知見をフル活用して支援しました。

 

職人による椅子の削り出しや、釜炊きご飯の香りが漂う実演販売。売り場では何度も足を運びたくなる体験価値を高めていきました。

 

同時に、遠方のファンにも越品を届けるべく、オンラインショップの本格拡充にも着手しました。

「全国の事例を見ると、地域の特産品紹介は食品に偏りがちですが、越品は違います。新潟という土地が持つ多様性と、衣食住すべての部門に専門バイヤーがいる百貨店の土壌。この二つが掛け合わさるからこそ、唯一無二の品揃えが実現できるのです」

 

自治体の担当者、小規模な生産者、そして新潟県内全域のお客様。地域の人々と密に触れ合いながら、ともに新潟を育てていく存在へ。越品の価値を広く、深く届けるためのあり方を丁寧に作り込んでいきました。

一番のファンになり、ストーリーを伝える

コロナ禍を経て、改めてNIIGATA越品のアイデンティティを問い直したのが2023年です。

 

三代目バイヤーとなった新発田孝が抱いたのは、ファッションの伊勢丹としての強い思いでした。

 

「もっと日常にワクワクが増えるような、上質で特別なものを提案したい。贈り物として選ぶだけでなく、お客様が自分自身が『味わってみたい!使ってみたい!』と思える商品展開が必要でした」

 

ブランドの印象をアップデートする一手はないか。新発田バイヤーが探り当てたのが、誕生したばかりのクラフトウイスキー「新潟亀田蒸溜所」です。世界大会で受賞し、県外での評価は高まりつつある一方で、地元・新潟での認知度はまだこれからという時期でした。

 

「これは面白い、と直感しました。それまではあまり知らなかったウイスキーを猛勉強して訪問しました。そして、新潟伊勢丹40周年の節目に合わせた『越品限定ラベル』の制作を直談判したのです」

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▲新潟亀田蒸留所とのコラボにより、100本限定の「ニューボーンウイスキー」を発売。開店前から行列ができ、即完売という大人気商品となりました。

さらに「ウイスキー」というひとつの商品から、越品として提案するライフスタイルを展開していきます。特別なウイスキーを味わうためのグラスや、そのひとときを彩る雑貨にもこだわりたい。

 

婦人服の催事を担当してきた経験を活かし、五泉のニットや刺繍、ガラス小物などを次々とラインナップに加え、ひとつずつの商品ではなく「ライフスタイルそのもの」を表現しました。

 

「良いものを見つけたら、物語を添えて提案するのがバイヤーの役割」と語る新発田バイヤーは、品揃えだけでなく、販売の質を高める取り組みにも力を入れました。

 

商品の背景にある想いを共有するスタッフミーティングを定例化。商品搬入のために伊勢丹を訪れた生産者と店頭スタッフの会話の時間を増やすように働きかけます。「まず自分たちが一番の越品のファンであること」を徹底しました。

 

「スタッフが愛着を持って語るストーリーも、越品を形づくる大切なピース。現在は、彼らの口から自然と新潟愛があふれ出すような、熱のこもった売り場へと成長しています」

1+1=3になる出会いの場へ

そして次のバトンを受け取ったのが、バイヤーの鈴木真澄です。鈴木バイヤーが最初に手をつけたのは、徹底的な「現在地の確認」でした。

 

伊勢丹の従業員や外部の事業者など合計500名以上にアンケートを実施。越品の価値と可能性を探りました。

 

「地域創生のモデルケースとして評価をいただく一方で、伊勢丹の従業員からは愛があるからこその厳しい声もありました。当初思い描いていた県外・海外への発信も思ったよりも進んでいない現状もある。この理想と現実のギャップを埋めるために、越品が果たすべき使命を改めて定義し直したいと考えました」

1年をかけて、越品の存在意義を深堀りしました。その末に辿り着いたのが、「新潟の魅力を伝える高付加価値プラットフォーマー」というあり方です。

 

すでに存在する良い品を見つけることだけではなく、越品を通じてしか生まれない出会いによって新たな商品やサービスを作り出すこと。つまり、1+1=3にする場を目指す決意でした。

 

その新たな門出として、2026年3月に開催したのが「~NIIGATA越品10周年記念祭~ にいがたからものがたり。」です。

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▲7日間のイベントは、多くのお客様に楽しんでいただくことができました

「予想外だったのは、出展者さん同士が顔を合わせ、その場から新たなコラボが始まる予感を見られたこと。この熱量と化学反応こそが越品の価値なのだと再確認しました」

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▲6階催事場の入口を飾ったコラボブース。展示されたテーブルは、NIIGATA越品がつないだご縁から生まれました

10周年を機に、売り場をリニューアル

2026年は、次の10年を見据えた売り場の改装計画が動き出しています。

 

新しく生まれ変わった売り場では、これまで扱うことが難しかった旬の食品など、「生きた素材」にも光を当てる予定です。さらに、10周年を記念した特別なギフト商品の発表も控え、アニバーサリーイヤーの盛り上がりはまだ始まったばかり。

 

「お取引先の皆様、そしてお客様も一緒に、新潟の『良いもの』が生まれ、育っていく物語を紡いでいきたい。まだ見ぬ新潟の可能性を未来や世界へと広げていくために、ぜひNIIGATA越品の売り場に足を運んでいただけたらうれしいです」

 

 

<取材後記>

商品が生まれる背景やそこに込められた想いを知り、その価値に納得して、応援の気持ちと一緒に商品を購入する。それが、NIIGATA越品と新潟伊勢丹が提案していきたい「上質な暮らし」だと言います。

 

NIIGATA越品の売り場を訪れたら、ぜひそこに並ぶ商品たちがどんな地域で作られているのか、思いを馳せてみてください。もしチャンスがあれば、越品のスタッフに、どんな人たちの手によって生み出されているのかを聞いてみてください。新潟で生まれたモノのあふれんばかりの魅力、そして胸を打つ物語にきっと触れることができるはずです。

取材・文章:横田孝優、鵜野梨奈(ザツダン株式会社)

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